第6回:またどこかで

    猫:
    さて、コラムも最終回だ。
    アオ:
    寂しいような、長かったような。
    ハル:
    で、次回作の構想とかってあるのか?
    猫:
    今のところはないらしいが、これもまた未完結長編の物理式をテーマにした物語があるので、それをこの作品の続編として昇華させることも考えてはいるみたいだな。
    アオ:
    物理学か。数学とはまた違ったジャンルの魔術だな。
    ハル:
    でもアオ、お前は趣味で物理学もやってるだろ? たまに物理学研究室に出入りしてんじゃん。
    アオ:
    まぁな。数学もそうだが、実際は物理学の方が学ばないで生涯を終える人々は多いのでは無いかと私は思っている。
    初等学校では、理科などと云うジャンルでその初歩の初歩は学ぶが、物理学となるとほぼ、馴染みがない人々が多い気がする。
    猫:
    まぁ、そんな気がするなぁ。
    勿論、物理の基礎でもある原子は、化学や生物の基礎でもある。そこから力や、それこそさらに小さい素粒子、光ーーそこまで学ぶことは、まぁ、少ないだろうな。
    ハル:
    光が粒なのか波なのかとかおもしれーけどなー。
    アオ:
    回折格子だな。物理学は深く入り込めば入り込むほど不思議で、日常では理解し難いことばかりが出てくる。それが面白いのだが。
    猫:
    おい、だいぶ脱線したな。
    いつかまたーーと云うことだが、お前らはこの後はどうするんだ?
    アオ:
    もし、その次回作があったら、きっと私の教え子なんだろうな。
    ハル:
    そしたらオレの教え子でもあるな! ヤベーこといっぱい教えてやるぜ!
    アオ:
    ほどほどにしてくれな。
    猫:
    ぼくはもう少し複素空間に籠ってようかなぁ。
    あそこは本当に心地良いんだ。
    ハル:
    普通の人間なら、頭の中がぐちゃぐちゃになって、ある程度の数学者でも長居はできない空間だがな。ほんと猫は頭がおかしいくらい強くてカッコいいな!
    猫:
    おぉう。最高の褒め言葉じゃねーの!
    アオ:
    それじゃあ、そろそろ締めの言葉に入ろう。
    私は、猫に攫われる前は本当に算数や数学と云うものが苦手だった。
    苦手である理由は、理解できないからだった。
    数学は、やはり小学生くらいでは理解できないものが多いと思う。だからこそ、そこは少し「そう云うものだ」と割り切って進んで欲しい。
    そして、本当に理解できるようになると、数学は最高の学問だと思う。
    猫:
    「覚えるのではなく、理解すること」そして「疑問に思うこと」。
    算数や数学が解らないかも知れないが、解ろうとすること、疑問に思うことは数学の第一歩だ。もしかしたら、ただ覚えて点数を取っている奴より、疑問に思って先に進めないやつの方が才能はあるかも知れない。
    アオ:
    確かに、中学くらいまでなら覚えてどうにかなるものな。
    ハル:
    オレとしては、数学できるのカッケー! って云うのがモチベーションだったな!
    アオ:
    まぁ、たまにハルみたいな天才肌もいるが…。
    ともあれ、もし、本作に触れてみて、数学を前向きに学習したいと思う人が増えてくれると嬉しい。数学は、とても楽しい学問だ。
    猫:
    まー、少数派かもしれんがな。
    じゃあ、そろそろこのコラムも終わりだな。なんか寂しいな。
    アオ:
    だからこそ、「またどこかで」。
    ハル:
    じゃあなー!