第2回:ピンクのうさぎと青いねこの恋のお話
針:
それもそうだけれど、線と点は一番、作中で性格が語られなかった子達よね。
私はうーん、感情を表に積極的に出す感じかな?
針:
それが時計だよね!
時計はね、感情を言葉に出すの恥ずかしいのに、私に対する感情だけはたくさん口に出してくれるの!大好き!
時計:
だって、そうでもしなきゃ満足しないだろう?
通じているのは、解っているが。
針:
えへへ〜ありがとう!
満足とかじゃなくって、時計は多分私が喜ぶって解っているから云ってくれるんだよね。
語り部:
さて、線と点以上の惚気ありがとう。
物語について語ろうか。
時計:
時計と、針だな。
時計は時計という物体が成立するために、針が必要なんだ。
だから、俺がそもそも存在するためには針が必要。
針:
私だって、針があったところで、時計がなければ何の意味もない存在。
時計:
あと、作者が「時間」って概念が好きだからな。
あ、そういえば俺が二股になったのも吉里吉里版からの変更点だな。
時計:
あまりにも、外見的に個性がなかったからだろう。
針は、眼に点滴しているとか中々インパクトのある外見してるからな。
語り部:
そういえば、線と点、それに時計は世界の主であるセピアと特に関わりはないみたいだけれど、針はセピアに飼われて居たんだよね。
針:
うん。セピアは私の飼い主よ。
でも、霧っていう子は一緒じゃなかったな。
語り部:
ということは、針の飼い主のセピアと霧の飼い主のセピアは違う人なのかい?
針:
多分、同じ人よ。
ただ、空間というか概念というかーー違う世界なんだと思う。
時計:
マルチバース理論と同じような世界観だと思ってりゃいいみたいだ。
語り部:
なるほどね。
「同じ」だけれど「違う世界」。
時計:
それこそ、パラレルワールドって思うのがいいのかもしれない。
語り部:
パラレルワールドについては、別のコラムで語ろうか。
針:
そういう物語があるわけだしね!
そうそう、理がさ、私たちを理解できないって云ってたよね。
針:
私たちもね、多分私たちがわからないの。
好きになるのに、理由はいらないと思うの。
だって、私は時計と出会うために生まれてきて、時計と出会って私になったの。
時計:
それが、時計と針なんだろうな。
針がいるから俺は時計で、俺があるから針は針なんだ。
語り部:
作中でもそのように語られているね。
それぞれが、それぞれの存在意義。
針:
でもそれが愛ってものなんじゃない?
だから、理にとっての嘘ってそうだと思うのよね。
別にそれが同性だっていうのは関係ないわ。だって私たちは概念なんだもの。
時計:
そう。
俺と針が2人で一つなのと似ているんだ。
語り部:
理が理解できなかった愛について二人に語ってもらったが、そろそろお時間のようだ。
それでは、また。