第1回:ウタヒメノタメノヒ
語り部:
こんにちは。
来てくれたんだね。
今回は、歌姫である点とその恋人である線をお呼びしている。
点:
こんにちは〜!
お会いできて嬉しいです。点ですー!
語り部:
早速、この物語の発祥について教えてもらおうか。
線:
この物語は、当時数学にハマっていた作者が次元の概念を擬人化して作ったとのことだ。
線:
そうだな。
次元と無限の概念が好きだったみたいだ。
猫:
大丈夫よ!
点が幸せなら私たちは問題ないの。
点のお歌が聞けないのは寂しいけれど…。
語り部:
猫には、もう少し後で登場してもらおうとしていてね。
だって君は、口調すら変わった稀有な登場人物だからね
猫:
そう。そう。
吉里吉里版の私はもっと甘ったるい話し方だったのよね。
猫:
なんか、流石にうざいって作者が思ったみたいよ。
私はぁ、あんたがぁ、きらいぃ…。
猫:
当時個性を持たせるのに血迷ったんでしょうね。
と、いうことで語尾の舌ったらずな感じはなくなりました。
線:
猫は鳥だが、鳥でなくさせられる案もあったんだよな。
猫:
そう。鳥じゃなくてコウモリ。
最初から、生物とは違う生物。つまり私の場合は鳥だけど猫って名前をつける「矛盾」をはらんだキャラを登場させるのは決まっていたみたい。
猫:
コウモリって鳥の仲間だって言ったり哺乳類の仲間だって言ったりの逸話があるじゃない。それをオマージュしようとしたみたい。
猫:
多分、素材がなかったのとオマージュするには微妙だって判断したんじゃないかしら。
猫:
まぁね。
っていうか、線も点も出番すごく少ないよね。
主役なのに私よりセリフ少ないんじゃない?
線:
そうだね。
ここで作者が言いたかったことは、概念的な「嘘」と「匣」のことだったようだ。
例えば、匣の中に真実があったとしても、それを伝える時に一部だけしか匣から出さないなら、それは嘘と同一になる。
全て匣の中から出した時に、それは真実となる。
線:
そう。同じように真実を霧で覆えば、それもまた匣と同じ役割を果たす。
点:
嘘の話にでてくる一緒に暮らしている人たちは、みんな嘘と同じ概念を背負っていたのね。
猫:
言いたかったことと云えば、作者は「嘘のような青い眼」っていうフレーズがすごく好きらしいわ。
「嘘のような」って修飾語と、「嘘って人物のような」って修飾語の二つの意味を持つ一文なのよね。
線:
それは「青い眼の黒猫」が「嘘だよ」っていうのも、青い眼の黒猫がいることが嘘なのか、青い眼の黒猫が嘘なのかも二つの意味に取れるな。
点:
そういう言葉遊びが散りばめられているわね。
もう一回読むと面白いかもね!
語り部:
さて、そろそろお時間だ。
素敵に閉めてくれてありがとう。
では、また。