私たちの宇宙が誕生してから210億年。
地球から発足した宇宙社会は111の広大なエリアに跨って繁栄している。
秩序を守る中枢議会、正義を掲げる煉獄、科学を進行する背神の集い……様々な組織が蠢き合う。
現煉獄総帥ウルファルト・ゼノファスは中枢議会最高議長レオン・ヴァスキールと共に”誰か”を探しているらしい。
その誰かを見つけた時、宇宙の秩序…宇宙律や煉獄法が歪み、混沌がやってくると言う。広大な宇宙の正義と悪、生と死を巡る壮大な物語。
宇宙社会
宇宙年表
〇 年 ビッグ・バン(宇宙の誕生)
一 億年 最初の星が形成される
九〇 億年 天の川銀河の誕生
九四 億年 太陽系の誕生
九四・六億年 地球の誕生
一三八 億年 人類の誕生
一三九 億年 人類が最初の宇宙ステーションを建設
一三九・九億年 エリアが2に拡大
一四二 億年 ヴォイド・アークスが「この宇宙」にやってくる
一四二・五億年 《煉獄》が設置される
一四二・八億年 《中枢議会》が設置される
一四三 億年 〈十二進〉の技術が確立され、運用が始まる
一四三・七億年 地球に人類が居なくなり、観光地化される
一四五 億年 エリアが11まで拡大。《背神の集い》の前身が生まれる
一四七・三億年 太陽が赤色巨星への兆候を見せ、人工太陽に置き換えられる
一五七 億年 《背神の集い》五十五研究室が生まれる
一六〇 億年 エリアが111まで拡大
二一〇・二億年 複数のエリアに渡る大規模戦争〈ノルンの断裂〉勃発
二一〇・八億年 犯罪組織《太陽の船》が生まれる
二一〇・九億年 ウルが煉獄総帥になる
レオンが中枢議会 最高議長になる
五〇〇 億年 宇宙の滅亡
宇宙律
一、存在尊重の原則
全ての知的生命体の存在は、理由なくして否定されてはならない。
二、選択の自由
如何なる種族・個体も、自己の進化・思想・存在形態を自ら選ぶ権利を持つ。
三、干渉の非推奨
高度文明は未発展文明への干渉を原則として禁止される。
四、終焉権
個体が自己の終焉を望む場合、それを尊重すべきである。
五、情報均衡の原則
知識・技術は平等に共有されるべきであり、過度な独占は禁じられる。
六、律外存在の記録義務
宇宙律外の存在が確認された場合、必ず中枢議会に報告せねばならない。
煉獄法
第零条 意義
煉獄の使命は、宇宙律の理念を守ることであり、律文そのものに縛られない。
第壱条 死の容認
死を必ずしも悪とせず、〝死によって救われる存在〟には終焉権を与える。
第弐条 律違背者排除権限
明確な宇宙律違反者または律の歪曲を試みる存在を独自の判断で裁く権限を持つ。
第参条 煉獄裁定の絶対性
煉獄による緊急裁定は、宇宙社会の通常法を超えて適用され得る。
第肆条 制限的介入許可
非干渉条項に違反する場合でも、その文明が崩壊寸前の場合、介入が許される。
第伍条 戦争非介入
煉獄は戦争を正義と悪の混濁と捉え、絶対的な正義の定義が不可能であると判断する。そのため、煉獄は全ての戦争に非介入とする。但し、戦争に関わる全ての組織の要請があった場合に調停の立会人となる。又、その戦争が宇宙社会に致命的な損害を及ぼすと判断した時、殲滅を実行する。
煉獄スクールの一日
06:00 起床
07:00 朝食(希望者のみ)
08:00 座学1
08:50 休憩時間1
09:00 座学2
09:50 休憩時間2
10:00 座学3
10:50 休憩時間3
11:00 座学4
11:50 昼休憩
13:00 実技1
14:00 休憩4
14:30 実技2
15:30 幼体部 スクール終了
成体部 特別実技1
17:00 成体部 スクール終了
18:00 夕食(希望者のみ)
19:00 自由時間
21:00 幼体部 就寝
23:00 成体部 就寝
星域データ集 —Stellar Log—
111に渡るエリアを持つ宇宙社会には、多くの恒星・惑星・ブラックホール・宇宙ステーションその他が存在する。
ここでは、作中に出てくるそれら地名を紹介する。
エリア1〜11
総将軍籤が統括するエリア群。
宇宙社会が発足した地球や宇宙の正義を担う煉獄の本部がある起源たる地を含む、一番重要なエリア11が含まれる。そのため、起源保護や煉獄のお膝元という事で、殆ど戦争などの諍いが起こらない平和なエリアが多いと言われる。
起源たる地
エリア11 太陽系 遠心力式宇宙ステーション
宇宙社会の始まった地球のすぐ近く、最古の宇宙ステーションである。起源たる地(Roots of Space Elements)を略してROSEと呼び、人々は親しみをこめてDear ROSEと呼ぶ。起源たる地
起源たる地
地球(Earth)
エリア11 太陽系 岩石惑星
宇宙社会が発足した元となる人種が生活していた惑星。自然豊かで大変美しい惑星である。人々の美しいと言う感性は地球が元になっているのかも知れない。
現在はヒトが住んでおらず、自然保護対象惑星となっており、住むことは禁止されている。現在は観光地として中枢議会管理の惑星となっている。観光に訪れるのにも本来は申請が必要であるが、迷い込んでしまう場合もある。その際は、事後報告でも良い。
地球に住んでいた人種を地球人と呼ぶが、現在は主に起源たる地
(人工)太陽((Artificial) Sun)
エリア11 太陽系 恒星(G型主系列星)
地球が公転する恒星。だが、エリアが50程度まで広がった辺りで赤色巨星へと膨張する事が予測され、破壊して人工恒星へと入れ替えられている。その入れ替えの際、外惑星である海王星は太陽の公転起動から離脱してしまったと言うが、幸いにも海王星には生命反応がなかったため、大きな問題にはならなかったと言う。
現在存在している人工太陽は、元の恒星とほぼ同じ環境を再現しており、起源たる地
逸脱した曖昧
エリア11 機蜜座85 岩石惑星
主食を鉱物とする種族の棲む惑星。その人々を〈逸脱の民〉と呼ぶ。この惑星の生物は体の一部が鉱石でできていることが多い。また、様々な鉱物は美術的価値のある嗜好品として需要があり、他の惑星でも嗜好動物として売り買いされるという。
各地名にも鉱物の名が冠されており、その名の通り鉱物で構成されているものが多い。石英の海はその中でもより美しく無のような透明の海である。また、透明感のある菫色を呈するアイオライトの丘、美しい緑のマラカイトの原っぱ、煙水晶の洞窟、テルルの建物群、陽起農地、黄鉄鉱の柱、ベリルの森など、観光地としても有名である。逸脱した曖昧
冬月の庭園
エリア11 アンドロメダ星雲 岩石惑星
雪虫族と霧虫族、そしてその派生の種族が住んでいた惑星。宇宙社会が発足して十億年程度後、ブラックホールになり蒸発した。惑星レベルの重さの星がブラックホールになることは前代未聞であり、研究が進められている。
かつてのこの惑星は、地球で言う冬と言う季節が常であり、そして地域によって様々な色の雪が降ると言う。その雪に擬態する雪虫族や霧虫族は地域により肌の色や髪の色が異なり、美しい姿をしていたと言われる。
感情の擬態化
エリア8 岩石惑星
宇宙科学ギルド《背神の集い》発足の地と言われる。
多くの人型の生物に対して害のある気体が充満している惑星であり、そのせいもあってほとんど文明が発達していない。だが、唯一昆虫類の遺伝子に対してはほぼ無害であるため、この惑星では昆虫類が地の頂点となっている。ハッピー・カメレオンと言うこの惑星の名は、人型への害、詰まりその脳に作用し感情を変容させるためであろう。ここに居を構えていた背神の集いの人間は、人体そのものを弄って気体の作用を止めていたらしいが、現在発足の地である研究室は廃墟となっている。
現在は霧虫族の一大コロニーが占拠している。
未知なる無知
エリア5 岩石惑星
体を機械に置換する文化を持つコグネシス族が統治する惑星。ギルゼ将軍の生まれもこの惑星である。彼らは合理的で誠実で平等である。それでいて、慈悲深い。この惑星は、まるで宇宙ステーションのように機械化されており、自然は殆どなく、岩石と機械都市に覆われている。だが、それは荒廃ではなく選択的合理化なのである。
エリア12〜22
総将軍虹が統括するエリア群。
かつて大規模戦争が勃発した惑星があるが、今は当然鎮火しており、比較的平和なエリア群である。ただし、背神の集い五十五研究室があるので、その平和の下には何かが沈澱しているかもしれない。
徒然の残骸
エリア12 狂牛座 岩石惑星
背神の集い五十五研究室のある惑星。五十五研究室所長が惑星ごと買取り、周囲の惑星・宇宙ステーションと交渉をして不可侵条約を結んでいる。五十五研究室は物理学と生物学・薬学の専門家が所属しており、惑星は彼らの研究に利用する動植物で溢れている。それ即ち、風景としては美しい場所であり、本来であれば観光地にもなるだろう。
だが、五十五研究室は背神の集いの中でも最も狂ったとされる研究室である。彼らの許可なくしてこの惑星に立ち入った時、何が起こるかは保証されない。
頂点の道化師
エリア15 南太陽月系 岩石惑星(特殊気体惑星)
かつて宇宙社会最大規模の〈ノルンの断絶〉で中心になった惑星の一つ。現在、その時の影響で地面は焼け爛れ、何も残っていない。ノルンの断絶では、煉獄666部隊を全滅に追いやった星の一つであり、それは己らの栄誉であり名誉であると信じて疑わない。その後、体制を立て直した煉獄により戦争は終わりを迎えたが、頂点の道化師
慈悲なき希望
エリア20 氷惑星
かつては様々な種族が暮らしていた惑星であるが、気候変動により氷惑星となった。そのため、慈悲なき希望
IOLIS
モジュール式宇宙ステーション
慈悲なき希望
エリア34〜44
総将軍ロルカが統括するエリア群。
生命が棲む惑星があまりなく、その中で小さな戦争が起こり続けている。他のエリアと比べてブラックホールも多く存在し、生命体の統括とはまた別の苦労があるという。また、幾つかの宇宙ステーションが作られたが、打ち捨てられたものも多いと言う。
罪人の誘い
エリア44 狗燼座 核融合推進型宇宙ステーション
かつては別の名前で呼ばれていたが、数々の戦争を経て周囲の惑星からの物資によって成り立つその性質から、このような不名誉な呼称で呼ばれるようになったと言う。
現在は、その名の通り宇宙ステーション全体が闇市のようになり、多くのエリアで犯罪と呼ばれるような行為が横行している。この宇宙ステーションにも煉獄の支部が配置されているが、横行する犯罪と正義のバランスを取ることは至極難しいことである。罪を犯す彼らの中には、好んで罪を犯している訳ではない人もいる訳なのだから。だが、それでも煉獄の支部があることによって、最低限の秩序は保たれている。
また、この惑星には大手犯罪ギルド《太陽の船》の本拠地があり、最大勢力を持つ。太陽の船があることもまた、秩序が保たれている一因であろう。
終焉の混淆
エリア40 超大質量ブラックホール
宇宙社会で確認されている中でも一番大きいとされるブラックホール。ブラックホール管理ギルド《黒の調停団》の管理ルームが吸い込まれないギリギリの場所に配置されており、そこには人員が住み込みで管理していると言う。
だが、ここの管理人はブラックホールに何かを捨てに来るヒトが居ても、一切咎めないと言う。管理ルームが存在する意味など、あるのだろうか……。
死に沈む星
エリア38 岩石惑星
かつては〝死んだ人に会うことができる神秘の惑星〟と呼ばれていた。けれども、その実態はヒトに幻覚を見せる物質が散漫する惑星だった。死んだ愛しい人に会いにきた人々は、幻覚に導かれ、自らも死を選ぶ。まさに、死に沈む星である。
エリア78〜88
総将軍ギルゼが統括するエリア群。
生命体が生息する惑星が多く、戦争にならずとも諍いが絶えない。ギルゼは平等を説き、また総帥が心配するように自己犠牲を厭わない。そうして、秩序は保たれている。
認識の創造
エリア88 M型矮星
エリア88煉獄支部のある銀河の惑星系を作る中心となる星。その名は脳そのものであり、公転する惑星は脳に関する名前が付けられている。それは認識の創造
M型矮星であり、比較的表面温度は低温。赤色の光を放つ。
海馬の遊戯
エリア88 岩石惑星
認識の創造
この惑星の煉獄支部は鉄を人工金でコーティングし、濃硫酸で腐敗しないような作りになっている建物の中にある。この過酷な環境に順応した生物だけ生息しており、ヒト系の生物は住んでいないと思われる。現在ヒトの存在が確認されているのは、煉獄支部のある円柱形の建物の中だけである。
グリアの壺(Glial’s Vase)
エリア88 衛星(総称)
認識の創造
記憶の繭
エリア80 超臨海流体惑星
エリア80煉獄支部があり、将軍が在籍する。
かなり珍しい超臨海流体惑星であり、複数の液体で構成される。この惑星で言う「地域」とは別種の物質で構成された液体空間のことを指す。また、コノハイルカやニンギョモドキなど生物学的にも非常に珍しい動物が多く存在するが、何かに擬態した生物が多い。だが、擬態先(コノハイルカであれば木の葉)がこの惑星に存在しないため、擬態の意味を成しているか不明であるし、そもそも擬態先がないのに擬態と言うのか、など、議論は尽きない。
鼓動の統制
エリア80 系外ガス惑星
長年意識の統制
恒星などを公転していない系外の惑星である。光源は人工的なものであり、半永久的なエネルギー生成機関を持っていると言われるが、近年、背神の集いで半永久的エネルギー生成機関の存在は否定されている。
意識の統制
意識の統制
エリア80 系外海洋惑星
長年鼓動の統制
鼓動の統制
エリア89〜99
総将軍桃花が統括するエリア群。
唯一賭博を合法としているエリア99があるため、財政的には非常に潤っており、戦争などの諍いも少ない。それらは全て桃花総将軍の功績である。
大いなる技法
エリア99 核融合推進型宇宙ステーション
エリア99で一番発展している宇宙ステーションであり、恒星や矮星の役割を担い、一つの系を築いている(当然ながら、惑星を掴んでいる重力という意味であり、光源としてではない)。エリア99で新しく星が誕生した際には、この大いなる技法系に組み込むかどうか判断が入る。エリア99は現状唯一合法的に賭博を推奨しており、この大いなる技法にもいくつかの巨大カジノが設置されている。また、桃花将軍の在籍する煉獄支部があるのもこの宇宙ステーションである。
完全なる数
エリア99 岩石惑星
大いなる技法
エリア111
煉獄所有監獄 屈折する監獄
屈折する監獄
エリア111 建造物
エリア111にはこの屈折する監獄しか存在しない。屈折する監獄
この建造物の中では、宇宙の初期状態の如く光子が直進しない。そのために、全てが歪んで見え、上下も左右も存在しない。故に、この監獄は看守と共に移動しないと迷い、どこかに消えてしまうという。
屈折する監獄
組織 —Guild—
中枢議会
111エリアにまたがる宇宙社会の秩序・法令制度・監督・調整を担うギルド。宇宙律の最終解釈権、重要政策決定、緊急事態の宣言などを行う。トップは最高議長であり、その下に議長補佐、各エリアから選出された代表である議員に加え、専門委員、特別顧問、書記官などの役職がある。
全ての文化・種族・地域を包括する組織のため、拠点となる物理的な場所は存在せず、各種会議は必ずネットワーク越しに行われる。それは、どこか一つの場所を特別なものにしないためである。
煉獄宇宙犯罪取締ギルド
宇宙社会の秩序を担う正義を掲げるギルド。
エリ111にある宇宙ステーション起源たる地
背神の集い宇宙科学研究ギルド
己の研究欲を満たすため集いし者共のギルド。背神の集いは倫理や道徳よりも科学の発展及び研究者本人の知識欲を優先することを信条としている。そのため、煉獄の掲げる正義と相反する場合があるが、過去の歴史から咎められることはほぼ無いと言っても良い。
研究施設は一から五十五まであり、特に五十五研究施設は最も狂っていると言う。
宇宙社会発足後11エリアまで広がった頃、前身となる研究室が存在していたらしい。いつからか、それらは集結し、同じような白衣を身につけ、背神の集いと名乗ることとなったと言う。数年に一度学会が開かれ、彼らの研究成果をギルドや企業に売りに出す催しとなっている。
黒の調停団ブラックホール管理ギルド
宇宙に存在するブラックホールとなった星を管理するギルド。ブラックホールに違法なもの——例えば、ヒトなど——を捨てに来る犯罪者を監視するために、ブラックホールの近くに管理ルームを設置している。
この組織のトップも総帥と呼称され、管理単位は煉獄と同じである。統括エリアの管理者を統括管理者、その他のエリアは管理者、副管理者と呼称される。
クロノ・トラベル社宇宙最大手旅行会社
「一度行くともう一度行きたくなる」をキャッチフレーズに始まった個人企業であったが、瞬く間に業界最大手となった。クロノ・トラベルでは職員はコードネームで呼び合う。様々なワープホール及びワームホールを観測・駆使する他、独自の技術でワームホールを作り出すことが出来、安心安全超高速の旅をお届けする。煉獄や背神の集いなどの各種ギルドと提携し、交通安全然り、航空技術然りを積極的に推進、取り入れている。
だが、その裏では大規模闇市
太陽の船最大手犯罪ギルド
ナナシエと言う人物をボスとし、数千万年長く続いている犯罪ギルド。ボスであるナナシエはギルド発足当初から変わらずボスとしてその位置に在すると言われるが、それほど長寿の人種は観測されていない。
犯罪ギルドではあるが、貧しい者だったり社会に適合できなかった者なども多く、来る者拒まずで構成されている。犯罪ギルドではあるものの、犯罪をしないと生きていけない者たちの集まりなのかも知れない。
Φ犯罪ギルド
名もなき雄個体と液体少女の二人だけの犯罪ギルド。基本的に窃盗を繰り返し、積極的な殺人は行わない。彼らが犯罪に走ったのは、必然なのかも知れない……。
種族 —Race—
地球人(Earthen) 環境適合型ヒト型種族
宇宙社会を初めに築き始めた種族。地球と言う惑星に住んでいたが、今やその分布は宇宙全域に広がり、地球人の遺伝子を持つ個体数も圧倒的に多い。また、地球人は元々幾つかに分類することができる上に、環境適応能力が高いため、異なる惑星に住み着き文化を発展させていることが多い。現在、生粋の地球人自体は少なくなっており、さまざまな姿形・思想・文化を持つヒト型種族が多く存在している。
地球は現在観光環境保護区となっているため、地球人をルーツに持つヒトであっても、エリア一一に存在する故郷たる地球に訪問せずに一生を終えるヒトも多い。寿命は通常百年程度である。
リュミアー族(Lumiere) 環境適合型ヒト型種族
現在人権を持つヒト型種族の中で最も地球人に近い遺伝子を持つ。だが、地球人とは全く異なる遠い惑星で発生した種族であり、リュミアー族の人々は自分たちが地球人派生だと言われることに小さな抵抗を持つと言う。だが、リュミアー族は争いを好まない種族であるため、小さな不満を持ちつつも宇宙社会を受け入れている。
耳が長く、聴覚や三半規管が優れていることが特徴。長寿族に分類され、五百年程度の寿命をもつ。
コグネクシス族(Cognexis) 地球人派生 技術融合型ヒト型種族
生まれた時は地球人とほぼ変わらないが、文化として体の一部を機械に置換する。肉体とは弱く朽ちやすいものである。そのため、人を人たらしめる部分以外は機械に置換した方が良いという考えを持つ。置換した機械やその状況によるが、基本は地球人と同じ生体構造を持つため、寿命は百年から二百年程度である。
エフェメラ族(Ephemera) 地球人派生 精神進化型ヒト型種族
地球人とほぼ変わらない遺伝子を持つが、電子の世界に精神をコピーし、電子空間で生活する事を文化として是とする。彼らはシミュレーテッド・リアリティを是とする文化を持つ地球人と言っても過言ではない。
生まれた時に生体保護カプセルに投入、デジタル世界に接続され、その後デジタル世界で一生を過ごす。そこがデジタル世界であることを認識しているヒトも居ればしていないヒトも居る。また、一握りのヒトはデジタル世界から現実世界に戻り、管理者として種族のシステムを守る職務に就く者も居る。
彼らはある程度現実世界の体が熟すると、体を捨て、デジタルのみの意識とする。彼らにとっての死はデジタル世界での「消去」である。
逸脱の民(Diviant) 環境適応型ヒト型種族
逸脱した曖昧
彼らは鉱物を主食としており、体内に鉱物を効率的に分解・吸収する特別な器官を持っている。摂取した鉱物はエネルギーとしてだけではなく、その鉱物の色や光沢が皮膚や髪に現れ、美しい外観がデザインされる。そのため、彼らそのものが芸術品・美術品として評価され、闇市で取引されることが多いと言う。
逸脱した曖昧
ヴォリテイル人(Voretail) 環境適合型ヒト型種族
肌と同じ色をした一つの尾を持つ。その尾には一つから三つの口があり、それらは本体とは別の人格を持つ。元々、ヴォリテイル人の棲む惑星は非常に豊かであった。それゆえに、人々は偏食と化し、「食べたいもの」しか食べられなくなった。その後、惑星の気候変動で地が荒れ「食べられるが食べたいと思えないもの」しか生産することができなくなった。その時に、「自分の味覚とは別の口」を持つ個体が生まれ、それらが生き残って今に至る。
昆虫類
昆虫類系遺伝子を持つヒト型種族の総称。短命で、集団で群れることが多い。過去人種として認められなかったこともあり、昆虫類
雪虫族(Prociphilus Oriens) 昆虫類
かつて冬月の庭園
霧虫族(Prociphilus Nebulosus) 昆虫類
雪虫族から更に派生した一族。雪虫族と共生することもある。
雪虫族とほぼ変わらないが、一般的には羽がない。また、脱皮という成長過程も存在しない。彼女らは季節ごとに羽衣個体と呼ばれる羽を持つ個体を産む。羽衣個体同士で夫婦となり、新たなコロニーを作ったり、既存のコロニーの世代交代を行う。
獣亜類
二足歩行のヒト以外の哺乳類に酷似する種族の総称。ヒトと哺乳類の割合は個体により様々であり、その割合で種族を分けるべきだと言う議論もあるが長年決着が付いていない。その割合は外見に現れるのみであり、知能には大きな差は無いと言うが、哺乳類の割合が大きく、脳が小さい方が短絡的で凶暴であると言われている。
フェリンドラ族(Felindra) 獣亜類
獣亜類
ルーヴァン族(Luvan) 獣亜類
獣亜類
L/L族(Lehre Lecture) 有機知性
族と呼ばれているが、正しくは生命体ではなく、ただの知性を持った物質であることが解っている。過去は生命体だと思われていたが、現在では物質であることは広く認知され、L/L族を構成する要素群をLL有機知性と呼ぶようになった。
L/A族(Lehre Archive) 技術融合型ヒト型種族
かつてL/L族と同一視されていた液体生命体。宇宙社会の中個体数が至極少ないため、繁殖相手を見つける事が困難である。その為、雌雄同体の形を取り、出会った際にはどの個体同士でも繁殖ができるよう進化したという。
ヴォイド・アークス(Voidarchs)
この宇宙の外からやってきた、またはこの宇宙で仲間に入れられたことによって不死族の一員となる。彼らは生殖をせずに、血を媒介として増える。彼らは空間に囚われないが時間に囚われる。
人物 —Character—
《煉獄》
ウルファルト・ゼノファス 地球人
現煉獄総帥。誰もが敬愛する正義の中心。
煉獄スクール戦闘班から成り上がった為か、非常に好戦的。煉獄本部で作業をするよりも現地に赴き、任務を遂行することを好む。だが、その行動には何か目的があるようだ。
中枢議会のレオン最高議長とは旧知の仲であり、たまにプライベート通信で歓談することもある。ウルの目的はレオン最高議長の目的でもあり、つまり二人は何か共通の目的を持っているらしい。それは煉獄・中枢議会にとって「重大な秘密事項」である。
籤
煉獄 総帥直属部隊 将軍。エリア11総将軍。
九時とは十二進の内、最重要な指針であり、総帥の直属に配属されるか、本人が総帥の立場になる。その性質故か、他の指針よりも総帥となった人物に対する忠誠心が非常に高い。指針に個はないが、時には忠実な僕、時には友人のように総帥と接する。彼らはその時の総帥の望むような関係性を築く。
現在、ウルと籤の関係は友人のようで、冗談を言い合いながら任務を遂行する。だがその心の内には、正しくウルを総帥として敬愛する心が存在する。
ルネサクロス ×××のクローン
煉獄 総帥専属オペレータ。
ウルが任務で背神の集い五十五研究室跡地に赴いた時に救った少女。カプセルの中でまだ生きていた少女をウルは救い、身近に置いた。どうやら、ウルの「目的」となる人物に関わりがある様子だが、本人も知らない。
その「誰か」のクローンだからこそ、今「ここ」にいるのだろうか。彼女は思い悩む。クローンとは、コピーなのか個なのか。
M.I.A.
一般企業 クロノ・トラベル社から出向してきた煉獄総帥 専属操縦士。
——であるが、航海することも、船そのものも大好きなようで、隙あらば誰かを乗せて宇宙に飛び出す。腕は確かなもので、初見の船でも難なく操縦することができる。マニアの域を通り越して中毒なのではないかと思うほど。また、航海に必要なワープホールやワームホールなどといった専門的な知識も豊富である。
クロノ・トラベル社は社員をすべてコードネームで呼び、彼はM.I.A.(Missing In Action)と名乗る。
トリス・ヴェ・ギルゼ コグネシス族
エリア88 総将軍。
エリア88にあるM型矮星 認識の創造
その自己犠牲感が、大きな波紋を呼ぶことになるのだが。
桃花
エリア99 総将軍。
現在の九時である籤とはスクールの同期であり、その時のスクール長がギルゼであった。籤のことは最大のライバルであると認識し、ギルゼは恩師であると思っている。彼女は隣人を理解し、愛すれば世界は平和になると考える「愛による正義」を掲げる。その正義の形により、エリア99は秩序を取り戻した。故に、彼女の統括エリアの煉獄隊員たちは「愛による正義」を信じるものが多い。
そして、その愛はいつの日か独占欲と変異する。
十字 十二進
潜入操作に特化した十二進。
形状変化
だが、それ故に煉獄への忠義心が薄いことはない。彼は間違いなく、十二進の一人なのだから。十時の役割は、煉獄の正義の幅を広めるためでもある。十時が多種多様な場所に所属することによって、多くの価値観を煉獄に齎せる。
現在の十字は、まだ幼く、周りから過保護に扱われることに照れを感じている。
十一時 と 十二時 十二進
煉獄の所有する屈折する監獄
二人は屈折する監獄
《中枢議会》
レオン・ヴァスキール リュミアー族
中枢議会 最高議長。
煉獄総帥であるウルとは旧知の仲であることは周知の事実であるが、どうやら過去煉獄スクール同期生だったと言う。そのため、ウルとの会話は口調が砕けることが多く、秘書であるメナによく嗜められている。
だがしかし、その一方で、宇宙の秩序を守る為に様々なエリア・種族・文化など多方の知識に精通し、各方面で起こる不満などの解決に努める。その理解度の深さから、多くの議員たちから多大なる信頼を向けられている。
セルク・メナ・アスフォデル コグネシス族
中枢議会 最高議長秘書。
先代の最高議長の頃からの秘書。長寿族であるコグネシス族であるため、百数年秘書の立場に居る。先代に比べてレオンは親しみやすく、威厳に欠けると思いつつも、その幅広い知識に対して尊敬している。長期に渡り、秘書と言う立場で居るため、最高議長の座に座る人物と言うよりも、中枢議会そのものに愛着を持つ。
アノアール 地球人
中枢議会議長補佐。
発言は少ないが、議会が最も荒れた瞬間にだけ口を開く。その一言で議論の潮流を変える、静かな均衡者。まさに〝補佐〟と言うべく人物だろう。各派閥との水面下交渉を一手に担うと言う役割も持つ。議会が円滑に回るのは、彼の調整あってこそと言われている。
故に、自らが次期最高議長になろうと言う野望は持ち合わせていない。あくまでも、陰で支える事こそが自分の役割だと考えている。
アウリ・ヴァレン リュミアー族
中枢議会 宇宙律整合班特別顧問。
元背神の集い六十八研究室で宇宙律・煉獄法・その他文明の法律を研究していた。更なる高みを目指すため、中枢議会へと所属し、今に至る。レオン最高議長を尊敬し、時間を貰って議論することもある。また、レオン最高議長からの信頼も厚く、時期最高議長に推薦されている。
当人としては、レオン最高議長に長く在籍してもらうことが宇宙の秩序の為であると考えると共に、その時が来ても良いように、様々な法律を日々学んでいる。
《太陽の船》
ナナシエ・アーデル エフェメラ族
太陽の船の創始者かつボス。
彼女は何らかの目的でこのギルドを作ったと言う。その目的は、貧しいものや犯罪を犯さなければ生きていけない人々を救うためである——と言う高尚な理由ではないらしい。雌個体ではあるものの、その華奢な体躯から繰り出される体術や剣術はどこかで学んだものであることが窺えるほど洗練されており、イリジウム製の木刀を好んでいる。彼女は、煉獄の正義を疑い、煉獄に大切なものを奪われたとギルドメンバーに漏らす。
銕
太陽の船 幹部の一人。
大規模闇市
ナナシエには多大な恩があるため、忠実に従い、幹部にまで上り詰めた。幹部になってからも、ナナシエを側で支える重要な人物である。
アッシュ 種族不明(突然変異種)
二万年の時を生きた突然変異種。水子に出会い、何かを欲すると言う感情を知った。けれども、彼に欲を齎せた水子を失い、途方に暮れる。その時、ナナシエに出会う。ナナシエに太陽の船に招き入れられ、初めてコミュニティに所属する。暖かく迎える太陽の船の面々に感謝をし、組織の一員として活動に励む。
水子
地球で生まれた液体生命体の突然変異種だった。その命が失われた時、アッシュが水子の遺伝子を元に再度生命を作り出した。彼女は意識を持つが、一般的な生命よりも薄く、小さい。けれども、アッシュのことは大切に思っている。
《背神の集い 五十五研究室》
ラムダ 遺伝子組み換え個体
科学研究ギルド 背神の集い 創設者ル・ラウの現在の名前。物理学研究者。
現在は五十五研究室の所長である。自らの体が劣化すると、新しい肢体を生成し、LL有機知性を媒介にして記憶を移し替え長らえてきた。体を入れ替える度にα, β, γ…ωとナンバリングをしていたが、途中から体の劣化を抑えられる——つまり、不老半不死を手に入れてからは今の名前を名乗り続けている。
彼はなぜ、生き続けるのか? それは強大なる知識欲の為である。彼は全てを知りたいと望む。クォークを形作る〝ひも〟から、宇宙の外側まで。
四弓
背神の集い 五十五研究室所属 薬学系研究者。
トリップしている時に事故に遭いそうになっていた所をラムダに助けられ、薬学者としての道に導かれた。快楽に弱く、研究の目的は脳を劣化させず安定的にトリップできることである。技術が確立されていない時は体に害の少ない木天蓼でトリップしていたが、現在幾つかの薬は安全にトリップできるので、日々楽しく過ごしている。
君園
背神の集い 五十五研究室所属 生物系研究者。
ヒトなどの高次生命体の死に強い興味を持つ。生命体はどうなったら死になるのだろうか? 死を迎える生命体は何を思うのか? 死は恐怖なのか? それは、自らが相手の生死を掴んでいると言う優越感からくるものか、それとも知識欲なのか。兎にも角にも、彼女は死に魅了されている。
ジャンク・ヴァングス エフェメラ族
背神の集い 五十五研究室所属 情報系研究者。
エフェメラ族の管理者一族の一員であったが、エフェメラ族の仮想現実をメンテナンスするだけの人生などただの奴隷だと思い、一族を飛び出す。自分の技術と知識欲を満たす事は、背神の集いだけでしかできないと考え、ラムダの元へ赴く。エフェメラ族の仮想現実の技術も、背神の集いの技術の結晶なのだ。
用語集 —World Word—
十二進 — The Clocks of Justice —
オリジナルである「イチジ——一時」を欠番として、二時から十二時まで名前を付けられるクローン。表記は二時・2時・02:00・虹などその時々によって変化はする。オリジナルである一時は地球でコールド・スリープされた人類の中で、途中で死亡してしまった人物の遺伝子を元に作られていると言う。そのため、彼らの遺伝子の元も地球である。
優秀な人材を安定的に供給するため、彼らは煉獄の為だけに造られ、煉獄の為だけに働く。生まれながらにして彼らはそれを承知しており、不満を漏らすことはない。それが彼らのアイデンティティなのである。彼らは生まれた時は〝指針〟と名付けられ、当然ながら何の経験も持ち合わせていない。だが、二時から十二時に欠番が出た場合、歴代の指針の経験をインストールしてその指針の名前と共に受け継ぐ。二時には二時の、三時には三時の歴代の経験が継承されているのだ。
また、彼らの寿命は約五〇年程度であり、五年で人間年齢十五歳まで育ち、最後の五年で急激に老い、老衰で死ぬ。だが、老衰で死ぬ十二進は稀である。何故なら、彼らは常に、危険に身を置いているからである。彼らは生殖能力を持たず、死を恐れない、特殊な種族である。死を恐れない——それは、自らの経験は、必ず次の指針に受け継がれ、確実に次に繋がるからである。
快楽の再来
宇宙最大の闇市。単位時間数年に一度、どこかで開催される神出鬼没の闇市である。使い捨て宇宙ステーションや、惑星の一部など様々な場所で開催される。そこは一種の治外法権であり、宇宙社会とは別の秩序が形成される。煉獄の人員が参加しても咎められないが、あくまでも快楽の再来の秩序の中で動かなければならない。快楽の再来では、この場所のみで利用できる通貨に換金し、通貨管理端末を利用して取引を行う。
また、快楽の再来はクロノ・トラベル社の裏事業であると囁かれているが、定かではない。陰謀論や噂のように、人々の間に密やかに噂されている。
LL有機知性 — Lehre Lecture Biological Cognition —
生物の脳の電気信号から意識をコピーし、保持することのできる物質。純粋な知性そのもののみである。このコピーした情報を再度生物に戻すことも可能であるため、LL有機知性を媒介に、劣化した生体から新しい生体へと意識をコピーし、擬似的な不老不死が実現された。また、宇宙科学ギルド背神の集いにより、コピーミスや劣化、抜け落ちなどは殆どない状態までブラッシュアップされている。これらの性質により、一時期LL有機知性は〝生物〟として扱われていたことがある。実際はただの物質である。
限界適応者
ラムダの現在の最終目的。体細胞全てを閉じたひもで構成すれば、この宇宙に囚われる事なく、宇宙からの脱却が可能なのではないか——と言う仮説の元存在する理論。ラムダの不老不死が達成されたその次、ラムダはこの宇宙からの脱却を望む。——宇宙よりも、長く、長く生きたい。
束界順応者
ラムダの最終目的限界適応者理論を逆転させた理論。体細胞全てを閉じたひもで構成された生物を、逆に開いたひもで構成させ、この宇宙に止まらせる理論。この理論が生まれた意味とは——。
死神 — Soul’s Eternal Dark —
戦争地域に出没すると言われる正体不明のヒト型種族。
彼らが戦地に出没すると、何れか一つの陣営が殲滅されると言う。彼らの目的や、そもそも彼が手を下しているのかは不明。また、煉獄も彼ら死神を確保することができないという。彼らは、〝消える〟のだ。この宇宙のものではないように。
宙域圏 — Cosmic Domain —
複数の宇宙ステーション、惑星間でその宇宙ステーションや惑星の権利が及ぶ範囲のこと。厳密には定義されていないが、宙域圏違反は煉獄にて裁かれる。
ワームホール — Worm Hole —
空間が三次元以上の方向に圧縮され、その間に三次元的にトンネルが生まれる。このトンネルを任意に作る技術も開発されている。ただ、専門の技術者が作ったものでないと安定性が低く、危険であるとされる。
ワープホール — Warp Hole —
空間を歪めて、空間の収縮や拡張を利用して移動すること。自然的に発生する現象であるが、任意に利用することも可能。理論としてはシンプルだが、膨大なエネルギーが発生するため、ワームホール同様専門の技術者の元利用するべきである。