秩序の章
地球から発生した宇宙社会。広大な宇宙の中、111のエリアに分けて管理されている。この社会の正義と秩序を護るギルド”煉獄”。その総帥は正義の使者とさえ呼ばれるほどの人物だ。だが、多様な生物で構成される宇宙社会の中、確実な正義などあるのだろうか? 数十億年を経て煉獄は正義を見失って行く。戦争地域に現れ、何れかの陣営を破滅に追いやる"死神"、大手犯罪ギルド"太陽の船"。それらは本当に悪なのだろうか? 煉獄は本当に正義なのだろうか?
混沌の章
正義が揺らぎ始めた。正義と悪、不死と死を巡り様々なヒトの思惑が交錯する。”彼”は何故死神になったのか。”彼女”は何故不死の実験に身を捧げたのか。彼ら彼女らは、不死を望むのか、死を望むのか。そしてそれは何故なのか。宇宙と云う広大かつ長い時間の中、全てが収束して行く。収束した先は、秩序か混沌か。はたまたーー無か。
宇宙年表
0 年 ビッグ・バン(宇宙の誕生)
1 億年 最初の星が形成される
90 億年 天の川銀河の誕生
94 億年 太陽系の誕生
94.6億年 地球の誕生
138 億年 人類の誕生
138.3億年 地球に大規模なウィルス災害が起こる
数年後、コールド・スリープ事業が拡大し、十万人の地球人が
コールド・スリープに入る
139 億年 人類が最初の宇宙ステーションを建設。翌年《煉獄》が設置される
139.9億年 〈十二進〉の技術が確立され、運用が始まる
140 億年 コールド・スリープから目覚める人々が出始める
142 億年 地球に人類が居なくなり、観光地化される
145 億年 エリアが11まで拡大。《背神の集い》の前身が生まれる
147.3億年 太陽が赤色巨星への兆候を見せ、人工太陽に置き換えられる
178 億年 死神の目撃証言が報告され始める
196.7億年 死神〈虎色の魔神〉と〈白眼の破壊神〉の目撃証言が報告され始める
199 億年 死神〈虎色の魔神〉が煉獄に拘束される
200 億年 エリアが111まで拡大
201 億年 死神〈混眼の魔女〉の目撃証言が報告され始める
221 億年 ガライが煉獄総帥になる
500 億年 宇宙の滅亡
煉獄スクールの一日
06:00 起床
07:00 朝食(希望者のみ)
08:00 座学1
08:50 休憩時間1
09:00 座学2
09:50 休憩時間2
10:00 座学3
10:50 休憩時間3
11:00 座学4
11:50 昼休憩
13:00 実技1
14:00 休憩4
14:30 実技2
15:30 幼体部 スクール終了
成体部 特別実技1
17:00 成体部 スクール終了
18:00 夕食(希望者のみ)
19:00 自由時間
21:00 幼体部 就寝
23:00 成体部 就寝
地名
111に渡るエリアを持つ宇宙社会には、多くの恒星・惑星・ブラックホール・宇宙ステーションその他が存在する。
ここでは、作中に出てくるそれら地名を紹介する。
起源たる地(Roots of Space Elements)
エリア11 太陽系 遠心力式宇宙ステーション
宇宙社会の始まった地球のすぐ近く、最古の宇宙ステーションである。起源たる地(Roots of Space Elements)を略してROSEと呼び、人々は親しみをこめてDear ROSEと呼ぶ。起源たる地
起源たる地
地球(Earth)
エリア11 太陽系 岩石惑星
宇宙社会が発足した元となる人種が生活していた惑星。
現在はヒトが住んでおらず、自然保護対象惑星となっており、住むことは禁止されている。地球に住んでいた人種を地球人と呼ぶが、現在はあらゆる種族と混ざり合い、純血の地球人は珍しいと云われている。
(人工)太陽((Artificial) Sun)
エリア11 太陽系 恒星(G型主系列星)
地球が公転する恒星。だが、エリアが50程度まで広がった辺りで赤色巨星へと膨張する事が予測され、破壊して人工恒星へと入れ替えられている。その入れ替えの際、外惑星である海王星は太陽の公転起動から離脱してしまったと云うが、幸いにも海王星には生命反応がなかったため、大きな問題にはならなかったと云う。
現在存在している人工太陽は、元の恒星とほぼ同じ環境を再現している。
逸脱した曖昧
エリア11 機蜜座85 岩石惑星
主食を鉱物とする種族の棲む惑星。その人々を〈逸脱の民〉と呼ぶ。この惑星の生物は体の一部が鉱石でできていることが多い。また、様々な鉱物は美術的価値のある嗜好品として需要があり、他の惑星でも嗜好動物として売り買いされるという。
各地名にも鉱物の名が冠されており、その名の通り鉱物で構成されているものが多い。石英の海はその中でもより美しく無のような透明の海である。また、透明感のある菫色を呈するアイオライトの丘、美しい緑のマラカイトの原っぱ、煙水晶の洞窟、テルルの建物群、陽起農地、黄鉄鉱の柱など、観光地としても有名である。逸脱した曖昧には惑星の名と同じ国家が存在し、数少ない一星一国家制を取っている。
冬月の庭園
エリア11 アンドロメダ星雲 岩石惑星
雪虫族と霧虫族、そしてその派生の種族が住んでいた惑星。宇宙社会が発足して暫くの後、ブラック・ホールになり蒸発した。惑星レベルの重さの星がブラック・ホールになることは前代未聞であり、研究が進められている。
かつてのこの惑星は、地球で云う冬と云う季節が常であり、そして地域によって様々な色の雪が降ると云う。その雪に擬態する雪虫族や霧虫族は地域により肌の色や髪の色が異なり、美しい姿をしていたと云われる。
感情の擬態化
エリア8 岩石惑星
宇宙科学ギルド《背神の集い》発足の地と呼ばれる。
多くの人型の生物に対して害のある気体が充満している惑星であり、そのせいもあってほとんど文明が発達していない。だが、唯一昆虫類の遺伝子に対してはほぼ無害であるため、この惑星では昆虫類が地の頂点となっている。ハッピー・カメレオンと云うこの惑星の名は、人型への害、詰まりその脳に作用し感情を変容させるためであろう。ここに居を構える背神の集いの人間は、人体そのものを弄って気体の作用を留めているらしい。まさに、科学研究ギルドである。
屈折する監獄
エリア111 建造物
エリア111にはこの屈折する監獄
屈折する監獄
終焉の混淆
エリア47 超大質量ブラック・ホール
宇宙社会で確認されている中でも一番大きいとされるブラック・ホール。ブラックホール管理ギルド《黒の調停団》の管理ルームが吸い込まれないギリギリの場所に配置されており、そこには人員が住み込みで管理していると云う。
だが、ここの管理人はブラック・ホールに何かを捨てに来るヒトが居ても、一切咎めないと云う。管理ルームが存在する意味など、あるのだろうか……。
罪人の誘い
エリア44 狗燼座 核融合推進型宇宙ステーション
かつては別の名前で呼ばれていたが、数々の戦争を経て周囲の惑星からの物資によって成り立つ宇宙ステーション。その性質から、このような不名誉な呼称で呼ばれるようになったと云う。
現在は、その名の通り宇宙ステーション全体が闇市のようになり、多くのエリアで犯罪と呼ばれるような行為が横行している。この宇宙ステーションにも煉獄の支部が配置されているが、横行する犯罪と正義のバランスを取ることは至極難しいことである。罪を犯す彼らの中には、好んで罪を犯している訳ではない人もいる訳なのだから…。
また、この惑星には大手犯罪ギルド太陽の船の本拠地がある。
徒然の残骸
エリア12 狂牛座 岩石惑星
背神の集い五十五研究室のある惑星。五十五研究室所長が惑星ごと買取り、周囲の惑星・宇宙ステーションと交渉をして不可侵条約を結んでいる。五十五研究室は物理学と生物学・薬学の専門家が所属しており、惑星は彼らの研究に利用する動植物で溢れている。それ即ち、風景としては美しい場所であり、本来であれば観光地にもなるだろう。
だが、五十五研究室は背神の集いの中でも最も狂ったとされる研究室である。彼らの許可なくしてこの惑星に立ち入った時、何が起こるかは保証されない。
天頂の道化師
エリア15 南太陽月系 岩石惑星(特殊気体惑星)
かつて宇宙社会最大規模の〈バルク戦争〉で中心になった惑星の一つ。現在、その時の影響で地面は焼け爛れ、何も残っていない。ヒトが住むことは出来ても作物を作ることはほぼ不可能な砂漠と荒野である。
それでもこの惑星に住む人々は存在し、バルク戦争は己らの栄誉であり名誉であると信じて疑わない。何故なら、長期戦争に対する殲滅の判断をした煉獄の軍隊を逆に全滅に追い込んだのは、この天頂の道化師だけであったからだ。結局、煉獄の介入により天頂の道化師がその戦争の勝者となった。
この惑星は、一見岩石惑星と観測されるが、その核の部分から数kmは高圧の気体が充満しており、常に激しい嵐が巻き起こる気体の海となっている。
認識の創造
エリア88 M型矮星
エリア88煉獄支部のある銀河の惑星系を作る中心となる星。その名は脳そのものであり、公転する惑星は脳に関する名前を付けられている。それは認識の創造
M型矮星であり、比較的表面温度は低温。赤色の光を放つ。
海馬の遊戯
エリア88 岩石惑星
認識の創造
この惑星の煉獄支部は鉄を人工金でコーティングし、濃硫酸で腐敗しないような作りになっている建物の中にある。この過酷な環境に順応した生物だけ生息しており、ヒト系の生物は住んでいないと思われる。現在ヒトの存在が確認されているのは、煉獄支部のある円柱形の建物の中だけである。
グリアの壺(Glial’s Vase)
エリア88 衛星(総称)
認識の創造
第一惑星の衛星を第一グリアと云い、惑星に組み込まれた順にα,β…と呼称される。例えば、海馬の遊戯
操り人形
エリア80 超臨海流体惑星
エリア80煉獄支部があり、将軍が在籍する。
かなり珍しい超臨海流体惑星であり、複数の液体で構成される。この惑星で云う「地域」とは別種の物質で構成された液体空間のことを指す。また、コノハイルカやニンギョモドキなど生物学的にも非常に珍しい動物が多く存在するが、何かに擬態した生物が多い。だが、擬態先(コノハイルカであれば木の葉)がこの惑星に存在しないため、擬態の意味を成しているか不明であるし、そもそも擬態先がないのに擬態と云うのか、など、議論は尽きない。
鼓動の統制
エリア80 系外ガス惑星
長年意識の統制
恒星などを公転していない系外の惑星である。光源は人工的なものであり、半永久的なエネルギー生成機関を持っていると云われるが、近年、背神の集いで半永久的エネルギー生成機関の存在は否定されている。
意識の統制との戦争の理由は、まるで子供の喧嘩の様に「どちらが強いか」「どちらが優れているか」と云うことらしい。そんなことに巻き込まれるかもしれない操り人形
意識の統制
エリア80 系外海洋惑星
長年鼓動の統制
鼓動の統制
大いなる技法
エリア99 核融合推進型宇宙ステーション
エリア99で一番発展している宇宙ステーションであり、恒星や矮星の役割を担い、一つの系を築いている(当然ながら、惑星を掴んでいる重力という意味であり、光源としてではない)。エリア九九で新しく星が誕生した際には、この大いなる技法系に組み込むかどうか判断が入る。
エリア99は現状唯一合法的に賭博を推奨しており、この大いなる技法にもいくつかの巨大カジノが設置されている。また、桃花将軍の在籍する煉獄支部があるのもこの宇宙ステーションである。
ギルド
宇宙社会で一つの集団として活動する単位をギルドと呼ぶ。
その中には、秩序の中にある煉獄や宇宙科学研究ギルドなどの他、犯罪集団も一つのギルドとみなす。
煉獄 宇宙犯罪取締ギルド
宇宙社会の秩序を担う正義を掲げるギルド。
エリア11にある宇宙ステーション起源たる地
宇宙社会発足当初は、煉獄総帥が全ての正義を担っていたが、エリアが拡大し、一人の人間が捌ける規模ではなくなってきた。そのため、各エリアの将軍に正義の裁量が任されている。その責任を取るのが総帥である。
また、煉獄は戦争には干渉しないことを宣言している。戦争には正義も悪もないからである。ただし例外が二つある。一つは調停。戦争に関わっている全ての陣営が調停を望む時、間に煉獄が介入し、戦争を終わらせる。一つは殲滅。戦禍が広がりすぎた時、全ての陣営を殲滅させることがある。複数のエリアに跨った戦争は殲滅対象になることが多い。
背神の集い 宇宙科学研究ギルド
己の研究欲を満たすため集いし者共のギルド。背神の集いは倫理や道徳よりも科学の発展及び研究者本人の知識欲を優先することを信条としている。そのため、煉獄の掲げる正義と相反する場合があるが、過去の歴史から咎められることはほぼ無いと云っても良い。
研究施設は一から五十五まであり、特に五十五研究施設は最も狂っていると云う。
宇宙社会発足後11エリアまで広がった頃、前身となる研究室が存在していたらしい。いつからか、それらは集結し、同じような白衣を身につけ、背神の集いと名乗ることとなったと云う。数年に一度学会が開かれ、彼らの研究成果をギルドや企業に売りに出す催しとなっている。
黒の調停団 ブラック・ホール管理ギルド
宇宙に存在するブラック・ホールとなった星を管理するギルド。ブラック・ホールに違法なもの——例えば、ヒトなど——を捨てに来る犯罪者を監視するために、ブラック・ホールの近くに管理ルームを設置している。
この組織のトップも総帥と呼称され、管理単位は煉獄と同じである。統括エリアの管理者を統括管理者、その他のエリアは管理者、副管理者と呼称される。
クロノ・トラベル社 宇宙最大手旅行会社
「一度行くともう一度行きたくなる」をキャッチフレーズに始まった個人企業であったが、瞬く間に業界最大手となった。クロノ・トラベルでは職員はコードネームで呼び合う。様々なワープホール及びワームホールを観測・駆使する他、独自の技術でワームホールを作り出すことが出来、安心安全超高速の旅をお届けする。
煉獄や背神の集いなどの各種ギルドと提携し、交通安全然り、航空技術然りを積極的に推進、取り入れている。
太陽の船 最大手犯罪ギルド
月
ギルドメンバーは各地に点在しているが、数十人の少数チームで行動することが多く、単位時間に一度の集会でチームリーダーが集まると云う。その組織構造は、まるで正義の中心たる煉獄に酷似している……。
Φ 犯罪ギルド
名もなき雄個体と液体の少女の二人だけの犯罪ギルド。基本的に窃盗を繰り返し、積極的な殺人は行わない。彼らが犯罪に走ったのは、必然なのかも知れない……。
種族
この宇宙社会を構成する人々を分け隔つ概念について記載する。
地球人(Earthen)
環境適合型ヒト型種族
宇宙社会を初めに築き始めた種族。地球と云う惑星に住んでいたが、今やその分布は宇宙全域に広がり、地球人の遺伝子を持つ個体数も圧倒的に多い。また、地球人は元々幾つかに分類することができる上に、環境適応能力が高いため、異なる惑星に住み着き文化を発展させていることが多い。現在、生粋の地球人自体は少なくなっており、さまざまな姿形・思想・文化を持つヒト型種族が多く存在している。
地球は現在観光環境保護区となっているため、地球人をルーツに持つヒトであっても、エリア11に存在する故郷たる地球に訪問せずに一生を終えるヒトも多い。寿命は通常百年程度である。
リュミアー族(Lumiere)
環境適合型ヒト型種族
現在人権を持つヒト型種族の中で最も地球人に近い遺伝子を持つ。だが、地球人とは全く異なる遠い惑星で発生した種族であり、リュミアー族の人々は自分たちが地球人派生だと云われることに小さな抵抗を持つと云う。だが、リュミアー族は争いを好まない種族であるため、小さな不満を持ちつつも宇宙社会を受け入れている。
耳が長く、聴覚や三半規管が優れていることが特徴。長寿族に分類され、五百年程度の寿命をもつ。
コグネクシス族(Cognexis)
地球人派生 技術融合型ヒト型種族
生まれた時は地球人とほぼ変わらないが、文化として体の一部を機械に置換する。肉体とは弱く朽ちやすいものである、そのため、人を人たらしめる部分以外は機械に置換した方が良いという考えを持つ。置換した機械やその状況によるが、基本は地球人と同じ生体構造を持つため、寿命は百年から二百年程度である。
エフェメラ族(Ephemera)
地球人派生 精神進化型ヒト型種族
地球人とほぼ変わらない遺伝子を持つが、電子の世界に精神をコピーし、電子空間で生活する事を文化として是とする。彼らはシミュレーテッド・リアリティを是とする文化を持つ地球人と云っても過言ではない。
生まれた時に生体保護カプセルに投入、デジタル世界に接続され、その後デジタル世界で一生を過ごす。そこがデジタル世界であることを認識しているヒトも居ればしていないヒトも居る。また、一握りのヒトはデジタル世界から現実世界に戻り、管理者として種族のシステムを守る職務に就く者も居る。
彼らはある程度現実世界の体が熟すると、体を捨て、デジタルのみの意識とする。彼らにとっての死はデジタル世界での「消去」である。
逸脱の民(Diviant)
環境適応型ヒト型種族
惑星逸脱した曖昧に住む種族の事を示す。
彼らは鉱物を主食としており、体内に鉱物を効率的に分解・吸収する特別な器官を持っている。摂取した鉱物はエネルギーとしてだけではなく、その鉱物の色や光沢が皮膚や髪に現れ、美しい外観がデザインされる。そのため、彼らそのものが芸術品・美術品として評価され、闇市で取引されることが多いと云う。
ヴォリテイル人(Voretail)
環境適合型ヒト型種族
肌と同じ色をした一つの尾を持つ。その尾には一つから三つの口があり、それらは本体とは別の人格を持つと云う。更にその口は食欲旺盛で、それぞれ食の好みも違う。尾の口で摂取した食べ物と、本体の口から摂取した食べ物は、同じ消化器官で消化されることが解っている。
ヒュモルフ人(Humorphs)
環境適合型ヒト型種族
昆虫系遺伝子を持つヒト型種族の総称。短命で、集団で群れることが多い。
その他用語
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キャラクター
★準備中★